げまったー

7

プレイ時間：11時間でエンディング到達

【良い点】
　このゲームのテーマである「廃墟探索」の部分に関しては非常によく出来ている。廃墟の荒廃感、そこに居たであろう人々の痕跡などを含めて、グラフィックに関してかなり力が入っており(あくまでWiiソフトにしては)、また、ストーリーを補完する役割を持つアイテムが随所に大量にちりばめられているので、世界を隅々まで見てみたい、という探究心を湧かせてくれる。

　音楽に関しては、種類こそそこまで多くない(様に思う)が、耳に残るものが多い。特にOPテーマ、EDテーマはどちらも本作にとてもよくマッチしている。

　説明不足という言葉をよく見かけるストーリーだが、私個人に関していえばそこまで説明不足は感じなかった。確かに「もっと深く掘り下げてくれ」というところ(ネタバレビューにて後述)はあったし、エンディングは少し物足りなかったが、前述の大量に用意されたサブストーリーを含め、魅力的なキャラクター達が織り成す、温かみがあり感動的な場面もあるストーリーには大体満足している。

【悪い点】
　戦闘要素はとても単調で、出来具合は正直かなり悪い。加えて発生する頻度がかなり高いので、折角よく出来ている探索要素を潰しがちになっている。正直このゲームに関していえば戦闘は取り入れなくてもよかったのではないか、と思うレベル。RPGではなく、戦闘をカットして謎解きを取り入れたり探索にもっと力を入れたアドベンチャーとして出せば、もっと面白いものになっていたのではないか。

　やりこみ要素などは特にないのでボリュームは薄い部類。本作は登場してすぐに退場してしまうキャラクターが少し多いので、彼らに関するサブストーリーなどを2週目以降に開放する、などの要素を用意して欲しかった。

7

プレイ時間：2周クリア

セブン、VENUS＆BRAVESのスタッフが再結集。バテンカイトスやトラスティベルを手掛けたトライクレッシェンドのスタッフとの共同開発作品。

ビジュアルの作り込み、雰囲気は最高です。
置き去りにされたまま廃墟と化した少しレトロな日本の風景が繊細なディテールで再現されていて、この世界を歩き回れるというだけでもこのゲームの価値になる。
敵は主に幽霊なのでホラーに思われがちですが、怖いと言うよりは人間のいなくなった世界の物悲しさの方が強いです。いや、怖い場所もかなり多いんですが……
そこかしこに落ちている『思い出の品』は、攻略には直接関係ないながら、そこに昔いたはずの誰かの想いを知ることができる。プロの声優による、大仰なBGMも何もない、静かな朗読は胸に染み入ります。

アクションRPGに分類されてますが、アクション自体は攻撃のためのAボタン連打と探索時にしゃがむ動作をする程度で非常に簡単です。ジャンプもないので本当に歩くだけ。
ゲーム性はシンプルです。人によっては単調と取れるかも。

音楽はゲーム中ほとんど流れませんが、その分タイトル曲の美しさには耳を奪われます。手嶌葵さんによる主題歌/ED歌のハマリ具合も素晴らしい。

個人的には好きなゲームです。
が、どうしてもストーリーの尻切れトンボぶりはいかがなものかと。壮大な裏設定を用意するのはいいですが、チラ見させるならキリのいいところまで出してほしいです。
結局ラスボスが何をしたかったのか、何をしようとしていたのか、世界に何が起こったのか、語らないなら中途半端に見せずに全部謎のままにしても良かったのでは。
というか、攻略本買わないとストーリーの全容が分からないっていうのは良くないと思う……

ちなみに私は世界観が好きなので2周しましたが、やり込み要素やデータ引継ぎがある訳ではありません。
ああ惜しい。ビジュアルはこんなにも作りこまれてるのに！